Math2B 2008

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更新日 2011-04-13 | 作成日 2008-02-18

数学2B(2008年度前期,水曜日1時限,2時限,辻井 担当)

第1回 オリエンテーション+講義(1.1節と1.2節)

最初に授業の説明をし,その後,複素数の基本的な性質(複素平面と極形式)について復習した.

Remark: 講義内容を間違えて準備していたため申し訳ないことをしました.次回から本格的に始めます.

LinkIconプリント(授業の最初に配ったもの)

第2回 複素関数の微分(1)

複素関数の微分(局所的性質)についての性質をまとめる.特に次の項目について取り上げる:

  1. 複素関数の微分と解析性
  2. コーシー・リーマンの関係式
  3. 調和関数
  4. 等角写像
  5. テーラー展開

多くは「数学2A」で習ったものだが,復習として簡単に講義する.調和関数と等角写像については新しい概念であるが,後で詳しく取り扱うので簡単に定義だけする.第2回ではA,B,Cについて述べた

宿題:教科書 27p 問題17--28 

LinkIconプリント(改訂版+授業予定)
LinkIcon小テストと解答

第3回 複素関数の微分(2) 

前回の講義に引き続き,複素関数の微分(局所的性質)について述べた.
項目 D(等角写像), E(テーラー展開) について述べた後, 孤立特異点におけるローラン展開について触れた.

宿題:31p 1--19

LinkIcon小テストと解答

第4回 複素関数の積分 

複素関数の積分(大域的性質)について述べた.複素積分について復習した後,コーシーの積分定理,コーシーの積分公式および留数定理について述べた.留数積分についても最後に簡単に触れた.

宿題 p 87 1--19, p149 1--20

LinkIcon小テストと解答


第5回 多項式と有理関数

複素関数としての多項式と有理関数について述べた.多項式関数の基本的な性質について述べた後で,Liouville の定理に触れ,その応用として代数学の基本定理を導いた.有理関数については,その基本性質を述べた後,部分分数展開について触れた.

宿題:p 118--119, 1--8,  16--27

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第6回 1次分数変換とリーマン球面

有理関数の特別な場合として1次分数関数(変換)について述べた.ただし,1次分数変換は関数としてよりはむしろ変数変換と考えることが多い.そのため,複素平面に無限遠点と付け加えた拡張された複素平面(リーマン面)を導入し,1次分数変換が拡張された複素平面の1対1写像になることをしめした.また,1次分数変換によって拡張された複素平面上に任意の3点が任意の3点に移されることをしめし,その1次分数変換の求め方を与えた.

宿題:p54 7--19

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第7回 指数関数と三角関数(5/28)

前回の続きで1次分数変換の円円対応と呼ばれる性質について述べた.また,その応用として1次分数変換で領域がどのように対応するかを例(ケイレイ変換)で具体的に考察した.

その後,複素関数としての指数関数の性質(解析性と指数法則)について述べた.指数関数の複素平面から複素平面への写像としての性質について詳しく説明した.また,三角関数と双曲線関数について簡単に触れた..

宿題:p 41, 1--19

LinkIcon小テストと解答


第8回 対数関数と一般ベキ関数(6/4)

指数関数の逆関数として対数関数について述べた.対数関数の具体的な定義を与え,その主値や対数法則について説明した.また対数関数が1/zという関数の原始関数になることを示した.また,一般ベキ関数を対数関数を利用して多価関数として定義した.

宿題:p46 5--30

LinkIcon小テストと解答


第9回 ガンマ関数(6/11)

ガンマ関数の基本的な性質について述べた.最初に正の実数についての定義をある広義積分の形で与え,階乗関数の一般化であることを示した.また,スターリング(Stirling)の公式を示し,証明の概略を説明した.最後にガンマ関数が0と負の整数を除く複素平面全体に拡張されることと特異点(0と負の整数)が単純極になることを説明した.

LinkIcon小テストと解答

第10回 中間テスト(6/18)

LinkIcon中間テスト問題と解答(水曜1コマ目)

LinkIcon中間テスト問題と解答(水曜2コマ目)


第11回 調和関数とその応用(1)(7/2)

調和関数の応用として,静電ポテンシャルや熱問題について述べた.まず,一般次元でラプラス方程式と調和関数の定義を与え,いくつかの例を与えた.次に静電ポテンシャルの問題が調和関数を求める問題に帰着されることを説明し,1つの例で具体的に静電ポテンシャル(調和関数)を具体的に求めた.また,熱問題についても熱伝導体の定常温度分布が調和関数になることを説明し,1つの例で具体的に温度分布を求めた.

宿題:p166, 1-15, p175 1-5


LinkIcon小テストと解答


第12回 調和関数とその応用(2)(7/9)

ディリクレ境界条件の下で調和関数を求める方法として,等角写像を用いた方法を解説した.また,(円板についての問題について)境界上の関数のフーリエ展開を用いて解く方法とポアッソンの公式を用いた方法について解説した.

LinkIcon小テストと解答


13回 調和関数とその応用(3)(7/16)

調和関数のもう一つの応用として流体力学への応用を取り上げた.

LinkIcon小テストと解答


教科書

複素関数論 (技術者のための高等数学) E. クライツィグ著(培風館)

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今後の予定 

期末試験は7月23日(予定)
試験範囲は講義した範囲全部.ただし小テストで取り上げた部分を中心に出題する.また定義についても設問をもうける.