解析A1

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更新日 2011-04-13 | 作成日 2008-02-18

解析A1

2008年度後期開講の解析A1の授業と演習についてのページです.

講義と演習について

基本情報:

担当教官:辻井 正人 
演習担当:三枝 洋一,緒方 芳子(10月末まで),服部 新(11月より)
TA: 栗林,井上

講義時間:金曜日 講義(10:30ー12:00)
         演習(13:00ー15:30) 
*進度により30分ー1時間程度の延長はあり.
*オフィスアワーは特に設けません.質問等は演習の時間に受け付けます.

講義と演習の進め方について(pdf ファイル)LinkIcon

更新履歴

2008. 9. 19
このページを作成しました.

講義の概略

この講義と(来年の前期に開講される)解析B1では複素関数論の基礎について学びます.この講義では,複素平面から始めて,複素関数とその微分,積分について基本から詳しく講義します.一つの目標は Cauchy の積分定理,積分公式と呼ばれる複素関数論で最も重要(かつ有用)な定理を学ぶことです.

具体的には右にあげた教科書の第1章から第4章(および第9章の一部)をほぼそれに沿う形で講義します.講義の進度は比較的緩やかになると思いますが,多くの数学の分野の基礎となる部分ですから各自十分時間をかけて理解を深めてくれることを期待します.

演習について

演習は講義クラスを2つに分けて,行います.演習は「問題を解く」,「黒板で発表する」,「質疑応答」によって,講義内容の理解を深めることを目標にします.学生とスタッフの間のインタラクティブな関係を重視したいと思います.

講義に関する情報(プリント等)

期末テストは1月30日(金)午後1時より 演習のクラスで行います.


演習問題 (No.10 1/9分まで)LinkIcon

小テスト問題(No.13 1/23 分まで)LinkIcon

講義ノート(11/28分まで)LinkIcon講義ノート(12/5以降分)LinkIcon

期末テスト 予行演習問題LinkIcon

講義の復習(チェックリスト)と4月以降の講義(解析B1)への注意

講義の進度と予定

第1回(10月3日) 複素数と複素平面(p1-14)

  1. 講義と演習についての説明
  2. 複素数の演算,複素共役についての復習
  3. 複素平面と極形式についての説明.
  4. 複素数の演算とその幾何学的な意味
  5. ベキ乗とベキ根

第2回(10月10日) 複素数の関数(p14-32)

  1. 複素関数の導入
  2. 複素平面の位相(開集合,領域)
  3. 複素変数の関数とその例
  4. 複素関数の極限と連続性

第3回(10月17日) 複素数の関数(p32-46)

  1. 複素関数の微分
  2. コーシー・リーマンの方程式(関係式)
  3. 正則関数・調和関数

第4回(10月24日) 初等関数(p47-50 +α)

  1. 多項式関数
  2. 有理関数と部分分数展開
  3. 指数関数

多項式と有理関数については教科書で触れられていませんが,授業で簡単に述べます.

第5回(10月31日) 初等関数(2)(p55-69 )

  1. 対数関数
  2. 三角関数•双曲線関数
  3. 複素べき

第6回(11月7日) 前半の講義の復習

第7回(11月14日)複素数値関数の線積分(p70-81)

  1. 実数変数複素数値関数の積分
  2. 曲線の定義
  3. 複素関数の曲線に沿う線積分

第8回(11月28日)コーシーの積分定理と原始関数(1)(p82-88)

  1. 曲線とホモトピー
  2. コーシーの積分定理
  3. 原始関数

第9回(12月5日)コーシーの積分定理と原始関数(2)

  1. コーシーの積分定理の応用(積分経路の変更による定積分の計算)

第10回(12月12日)コーシーの積分定理と原始関数(3)

  1. コーシーの積分定理の証明

第11回(12月19日)コーシーの積分公式とリュービルの定理

  1. コーシーの積分公式
  2. コーシーの微積分公式
  3. モレラの定理
  4. リュービルの定理と代数学の基本定理


第12回(1月9日)テイラー展開

第13回(1月23日)

  1. 補足(一致の定理,最大値原理)
  2. 復習と期末テストの予行演習

期末テスト(1月30日の予定)

教科書と参考書 

教科書として
「複素関数入門(原書第4版)」ブラウン,チャーチル著,中野訳 (数学書房)
を使います.複素関数論についての入門的な書物で内容は標準的です.演習問題が多く載っていて解答も巻末についているので自習がしやすいと思います.

参考書として
「複素解析」アールフォルス著,笠原訳(現代数学社)
を挙げておきます.これは基本的に学部後期から大学院向けの教科書で,内容的にも上に書いた教科書よりも高度です.しかし,基礎的な部分から書いてあるので,2年生でもやる気があれば十分読み進められると思います.