シュミレーション
Ginibre干渉ブラウン運動の動画
N個の粒子からなるGinibre干渉ブラウン運動のシュミレーションが研究協力者の乙部厳己氏によって制作されました.その動画を,紹介します.
http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~osada/otobe/simulation.html
次に、モデルを表す確率微分方程式について説明します.
シュミレーションの説明:
Nを粒子の個数とします.粒子の運動を表す確率微分方程式(SDE)は,
となります.前述の無限粒子系のGinibre を表すSDE は(β = 2 のとき)
となります.一見,有限系に比べて中心力が働かなくなっているように見えますが,実はこのSDE は,第二の表現を持ちます.
ここで無限和は条件収束であり,この二つのSDEは、Ginibre点過程について確率1の初期条件に対して同一の無限次元拡散過程を定義します.もし初期条件が有限個の粒子からなる場合は、明らかに違うSDEでありそれが定める確率過程も異ります。このようなSDE表現の多様性は,無限系およびCoulombポテンシャル特有の現象です.後者の表現は,シュミレーションの有限粒子系の形に対応しています.動画ではGinibre と独立なOrnstein-Uhlenbeck過程を考え比較することにより,Coulombポテンシャルの強烈な効果が実感できます. 粒子数に応じて尺度が違いますが,N = 800になるとOrnstein-Uhlenbeck過程は,ほぼ点のように見えます.しかしGinibre干渉ブラウン運動は,Coulombポテンシャルの反発力で,特に中心部は平行移動不変な状態になっており、全体としてボールのような形を形成する確率力学となります.