SUMMARY

研究概要


本研究は、代表者(中尾)が世界に先駆けて行ってきた、「偏微分方程式に対する解の存在を計算機により立証する」という方向で、その研究をさらに格段に発展させることを目的として実施するものである。特に、理論解析が困難な非線形現象の数学モデルに対しこのような手法を適用しその数値的解明を実現するとともに、計算機援用証明を解析学における一つの方法論として確立することを目ざしている。具体的には以下の検討を行う。



(1)楕円型偏微分方程式に対する解の数値的検証方式について、拡張改良を図るとともに、非線形発展方程式の解の検証手法を新たに開発する。



(2) 実際の非線形現象を扱う他分野の研究者と広く連携し、重要な非線形問題の解の数値的検証を実現し、その有効性を実証する。



(3)各種数値的検証法の原理的、目的別の分類と適応性の評価を行い、それにもとづく整理統合を行って解析学の方法論としての体系化を目ざす。



(4) 数値的検証の汎用性と使い易さを高めるために検証プログラムの一部を汎用パッケージ化して提供する。



(5) 数式処理等の記号処理的手法を取り入れた高効率の検証法を開発する。