代数学A・演習 (後期、理学部数学科2年生)

目次


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授業の概要

この授業ではという代数学の基本対象について学びます。群は小学校で正多角形を学ぶ際に考えたような対称性を記述する概念で、数学の幅広い分野で威力を発揮する強力な道具です。環は (1) ある集合上の関数の空間や、(2) n 次正方行列の空間などの拡張になっています。(1) の例は例えば、代数幾何のように、空間を調べるのにその空間上の関数の環を見るときに現れます。一方の (2) は作用素環など、群と同じく対称性を表すのに用いられます。

群、環についての基礎事項を学ぶ際には、ただ抽象的な概念としてではなく、群や環の基本的な例を通じて実感することが必要不可欠です。そのためにはできるだけ積極的に演習に参加してそうした例に触れてください。講義中もできるだけ多くの例を挙げるようにしていきます。

最後に、ここで学ぶ内容は代数学 B, C を始め今後皆さんが学ぶ科目の前提条件となります。演習にも積極的に参加して代数的な考え方の基礎を培ってください。


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教科書、参考書

教科書は 桂利行著「代数学 I 群と環」(大学数学の入門 1 東京大学出版会) を使います。基本的に教科書に沿って授業を進める予定ですが、教科書にあるすべての内容を講義するわけではありません。


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授業の進め方、演習について

午前中の授業では出席を取った後、講義を行います。

午後の演習では毎回午前中に講義した内容についての初歩的な問題を10題程度出題します。その後の進め方は次の通りです。

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授業予定 (変更の可能性もあります)

長月
29日 群と部分群

神無月
6日 群の例、剰余類
8日 準同型定理
13日 体育の日
20日 直積と共役類
27日 群作用、可解群

霜月
3日 文化の日
10日 Sylowの定理
17日 環の定義 演習の時間は中間試験
24日 勤労感謝の日振り替え休日

師走
1日 部分環、環の例
8日 イデアルと準同型定理
15日 UFD、素イデアル
22日 PID、分数体

睦月
5日 PID上の多項式環
12日 成人の日
19日 出張のため休講
26日 補足と演習

如月
2日 期末試験

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成績評価について

成績は普段の学習状況を重視して次のように評価します。普段授業に出てこないで中間、期末試験を受けただけでは合格できませんので注意してください。

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