数学特論18

Last updated: 09/01/28.学期中はかなり根性を入れて更新中(少なくとも「次回の講義予定」のところだけは)

レポート問題のまとめなどは,以下の「配布プリント」参照.


学部4年生向け(2008年度秋学期,毎週月曜4限).

講義概要: 物理学の主要なテーマ(相対論,量子力学,統計力学など)を3回程度の読み切りの 形で講義します. それぞれのテーマの理解には,本来ならば物理学科での全教程が必要であるので, 完全な講義は到底,望めません. そこでこの講義では,皆さんの数学的知識を前提にして,それぞれのテーマの骨子 (数学的構造)をわかりやすく呈示することを主目的とします. また可能な限り,「なぜそのような理論体系になったのか」の背景説明をも加えるように努力します.

講義は終了しました.

レポート問題は下にあります.レポート締め切りは2/9(月),提出場所は 数学の事務室(箱崎1号館4階)の封筒の中です.

統計力学の問題,非常に簡単なのを一つだけ,作りました.

講義の計画: 以下の各テーマのそれぞれを1〜3回程度で講義する.
  1.力学(9/29)と解析力学(10/6)
  2.特殊相対論と電磁気学(10/20, 10/27, 11/10の3回+11/17で締め)
  3.一般相対性理論(12/1, 12/8)
  4.量子力学(12/15, 12/22, 22)
  5.熱力学と統計力学(1/5, 19, 26)
  番外編.科学とは何か?科学的手法とは?(どうもこの番外編の時間がなさそうです.)

これまでの講義の概要:
  1. 力学(9/29):まず始めに,「物理とは何か」「物理と数学の違い」をある程度,標語的に述べた. その後,ニュートン力学について復習した.
  2. 解析力学(10/6):変分原理について簡単に説明した後,最小作用の原理,ラグランジュ形式などについて講義した. (ハミルトン形式は量子力学と絡めて後でやります.)
  3.特殊相対論と電磁気学その1(10/20):光速度不変の原理の実験的裏付けに簡単に触れた後, その帰結としてどのような時空概念が適当と考えられるか (特殊相対論の基本的な考え方),を述べた.
  4.特殊相対論と電磁気学その2(10/27):前回の復習の後,速度の合成則を説明.そのあと, 相対論的な力学法則(運動量とは,エネルギーとは,...)に入ったが,相対論的運動量を 説明した辺りで時間切れ.
  5.特殊相対論と電磁気学その3(11/10): 相対論的な力学法則(運動量とは,エネルギーとは,...)の続き.運動量保存則が成り立つように 運動量を決め,「運動量の時間微分=力」として力を決め,それに基づいて運動している質点の 運動エネルギーの表式を導出.これをいろいろな場合に考察することで,E= mc^2 に 導かれることをおおざっぱに説明(最後の方はちょっと時間切れ).
  6.電磁気学の概観(11/17): これまでの3回が,かなり物理物理して重かったので,今回は淡々と電磁気学の体系を述べました. 相対論との関係については述べる余裕がなかったので,次回に簡単に触れます.
  7.一般相対性理論その1(12/1)等価原理,一般相対性原理など,一般相対論の 基礎にかかわる物理の考え方を詳しく述べた後,基礎方程式を概観した.
  8.一般相対性理論その2(12/8)等価原理の復習の後,一般相対論の基礎方程式, 特にそこに出てくる曲率テンソルなどの意味を主に説明し,最後にEinsteinの 方程式を導出する方法(というより,時間の関係で導出するための指導原理) を説明した.どうも今日はほとんど微分幾何の講義になってしまったような気がする.
  9.量子力学その1(12/15)量子力学の枠組み(系の状態,観測量,観測値)について 概説した.これらの詳しい帰結(特に重ね合わせの原理)は来週.時間発展のルールも来週.
  10, 11.量子力学その2,その3(12/22) 量子力学の枠組みを復習した後,エネルギー固有状態(定常状態)の意味,時間発展の規則,観測の問題などについて概説した.
  12.熱力学その1(1/5) 熱力学の考え方,等温操作,断熱操作などについて説明した.
  13.熱力学その2(1/19) カルノーサイクル,絶対温度の概念,エントロピーなどに ついて 詳しく解説した.
14.熱力学のまとめ(変分原理)と統計力学の基礎(1/26, 補講も入れて).

参考文献:一般的な参考書は配布プリント(下にあります)に書きました. それぞれのトピックについての補足的な参考書は,それぞれの講義中に適宜紹介し,ここにも載せる 予定です.

講義ノート,レポートなど.

なお,この講義に関しては,web にあげられるほどの講義ノートを作る余裕はないと思われます. TeXで打ち込む時間があれば,少しでも講義内容を吟味したいと思っているので,ご理解いただければ幸いです.

配布プリントの中には,もしかしたら単純なタイプミスや計算間違いがあるかもしれません. このようなものはない方が良いのは当たり前ですが,実際問題として少々のミスが混入する事を 防ぐ事は不可能です.この点はご了承の上,ご利用ください.


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