日時 | 10月9日(金) 15:30--16:30 |
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会場 | オンラインでの開催 (Zoom) |
講師 | 隠居 良行 氏 (東京工業大学) |
題目 | On the bifurcation and stability of the compressible Taylor vortices |
概要 | Stability and bifurcation problem is considered for the compressible Navier-Stokes equations in a domain between two concentric cylinders. If the outer cylinder is at rest and the inner one rotates with sufficiently small angular velocity, a laminar flow, called the Couette flow, is stable. When the angular velocity of the inner cylinder increases, beyond a certain value of the angular velocity, the Couette flow becomes unstable and a vortex pattern, called the Taylor vortex, bifurcates and is observed stably. This phenomena is mathematically formulated as a bifurcation and stability problem. In a framework of the incompressible Navier-Stokes equations, the bifurcation and stability of the Taylor vortex has been studied in detail, while, for the compressible Navier-Stokes equations, only the bifurcation of the Taylor vortex has been known, but detailed structure of the bifurcation has remained unknown in many aspects. In this talk, the smoothness of the bifurcation curve and the stability of the compressible Taylor vortex will be shown under axisymmetric perturbations. |
日時 | 10月23日(金) 15:30--16:30 |
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会場 | オンラインでの開催 (Zoom) |
講師 | 山崎 陽平 氏 (九州大学) |
題目 | Center stable manifolds around line solitary waves of the Zakharov-Kuznetsov equation with critical speed |
概要 | 本講演では、横方向に周期境界条件を課した空間2次元のZakharov-Kuznetsov方程式の不安定な線状進行波周りの中心安定多様体について考察する。Zakharov-Kuznetsov方程式はKorteweg-de Vries方程式の2次元版の方程式の1つであり、Korteweg-de Vries方程式の進行波であるKdVソリトンに対応する線状進行波を解としてもつ。全空間の線状進行波はRoussetとTzvetkovにより、進行速度によらず不安定であることが示されている。一方、線状進行波の進行方向に直交する方向である横方向に周期境界条件を課した場合は、線状進行波の進行速度が小さいときは安定であり、大きいときは不安定になる。以前の研究で、進行速度が臨界速度でない不安定な線状進行波周りの中心安定多様体が存在することを示した。特に、中心安定多様体上に乗るような初期摂動に関して、この不安定な線状進行波は安定になる。以前の研究では、不変多様体にリャプノフ関数の候補関数を制限し、方程式の対称性と進行速度パラメータを調整して、候補関数の2次変分の正値性を示し、中心安定多様体の性質を示していた。一方、進行速度が臨界速度である不安定な線状進行波に関しては、候補関数の2次変分の正値性が退化する。本講演では、進行速度が臨界速度である不安定な線状進行波に対して、リャプノフ関数の候補関数の高次項の正値性と、高次の項による誤差項の評価を用いた、不変多様体上での安定性解析について紹介する。 |
日時 | 11月6日(金) 17:00--18:00 ※いつもと開始時間が異なります |
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会場 | オンラインでの開催 (Zoom) |
講師 | 岡部 真也 氏 (東北大学) |
題目 | The modified p-elastic flow on planar closed curves |
概要 | 曲線に沿ってその曲率の p 乗を積分した量として定義される p-弾性エネルギーに対する勾配流 (以下, p-弾性流とよぶ) を考える. ただし, p > 1 とする. p-弾性流は, 四階放物型方程式として分類し得る幾何学的発展方程式であり, p=2 以外の場合には退化性をもつことが特徴の一つである. 勾配流であることから, p-弾性流はエネルギークラスに属する初期曲線に対して可解であることが期待されるが, 最も研究の蓄積がある p=2 の場合においてさえ, 講演者の知る限り十分滑らかな初期曲線に対する可解性しか知られていない. 本講演では, エネルギークラスに属す初期曲線に対する p-弾性流の弱解の時間大域存在について得られた結果を紹介する. なお, 本講演は G. Wheeler 氏との共同研究に基づくものである. |
日時 | 11月20日(金) 15:30--16:30 |
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会場 | オンラインでの開催 (Zoom) |
講師 | Junyoug Eom 氏 (東京大学) |
題目 | Large time behavior of ODE type solutions to a nonlinear parabolic system |
概要 | 本講演では, 弱連立非線形放物型方程式系を考え,常微分方程式系の解の様に振る舞う解(ODE型解)の時間大域挙動を調べる.ODE解の挙動によって誘発されるある変換によって導かれる方程式系はある特別な構造を持ち,その構造とスカラー方程式の解の高次漸近展開理論を用いてODE型解の漸近挙動はある熱方程式の解を用いて表現できる.結果としてODE型解の漸近挙動はシステム特有の性質を有することが証明できる.本講演は石毛和弘氏(東京大学)との共同研究に基づく |
日時 | 12月4日(金) 15:30--16:30 |
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会場 | オンラインでの開催 (Zoom) |
講師 | 高橋 仁 氏 (東京工業大学) |
題目 | ある臨界指数を持つ半線形熱方程式における動的特異点を持つ解の存在について |
概要 | 本講演では,べき乗型の優線形な非線形項u^pを持つ半線形熱方程式を考え,時間依存して動く点に特異性を保持するような非負値解(動的特異点を持つ解)の存在を議論する.そのような解は,非線形項の指数pがN/(N-2)より大きくある値未満のとき,Sato-Yanagida (2009)によりはじめて構成された.また,pがN/(N-2)より小さい場合についてはKan-T. (2017)により構成がなされている.本講演ではpがちょうどN/(N-2)の場合を考え,動的特異点を持つ解を構成する.また,主結果と解の一意性との関連についても述べたい. |
日時 | 12月11日(金) 15:30--16:30 |
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会場 | オンラインでの開催 (Zoom) |
講師 | 生駒 典久 氏 (慶應義塾大学) |
題目 | 劣線形項を持つ非線形楕円型方程式の非負値解の挙動 |
概要 | 全空間上において劣線形項 u^{q} (0<q<1) を持つ非線形楕円型方程式を考察する.本方程式の特徴の1つとして,非負値解は球対称となり,また非負値解の台は有界になることが知られている.本講演では,q を 0 や 1 に近づけたときの非負値解の挙動や解の台に関する挙動について最近得られた結果について紹介する.なお,本講演は田中和永氏(早稲田大学), Zhi-Qiang Wang氏(ユタ州立大学), Chengxiang Zhang氏(北京師範大学)との共同研究に基づく. |
日時 | 1月8日(金) 15:30--16:30 |
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会場 | オンラインでの開催 (Zoom) |
講師 | 内藤 雄基 氏 (広島大学) |
題目 | Blow-up criteria for the classical Keller-Segel model of chemotaxis in higher dimensions |
概要 | 本講演では,単純化された放物型-楕円型走化性方程式系を空間 3 次元以上で考える.この問題に対しては,Biler, Karch 等により Morrey 空間を用いた考察が行われ,とくに Chandrasekhar 解と呼ばれる特異定常解より初期値が積分平均の意味で小さい場合には,時間大域存在であることが知られている.ここでは,解に球対称性を仮定し,初期値を有界かつ単調非増加とした場合に,方程式系の定常解を用いることにより,解の時間大域存在および有限時刻爆発のための条件を導く.とくに Chandrasekhar 解との比較による判定条件の最適性について,空間次元による違いを明らかにする. |
日時 | 1月22日(金) 15:30--16:30 |
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会場 | オンラインでの開催 (Zoom) |
講師 | 大山 広樹 氏 (九州大学) 15:30 -- 16:00 |
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題目 | Global well-posedness and fast rotation limits for the Navier-Stokes-Coriolis equations in a 3D layer |
概要 | In this talk, we consider the initial value problem for the Navier-Stokes equation with the Coriolis force in a three-dimensional infinite layer. We prove the unique existence of global solutions for initial data in the scaling invariant space when the speed of rotation is sufficiently high. Furthermore, we consider the fast rotation limits, and show that the global solution converges to that of 2D incompressible Navier-Stokes equations in some global in time space-time norms. |
講師 | 長木 将斗 氏 (九州大学) 16:00 -- 16:30 |
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題目 | 非線形量子ウォークに対する散乱問題について |
概要 | 本講演では,非線形コイン作用素を持つ時間離散の非線形量子ウォークの散乱問題について考える. Gerasimenko-Tarasinski-Beenakker モデルに対しては, 初期値が十分小さければ散乱すること(Maeda-Sasaki-Segawa-Suzuki-Suzuki の結果), Navarrete-Peres-Roldan モデルに対しては, あるクラスの初期値が自由量子ウォークに散乱しないことを紹介する. |