日時 | 4月12日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 柳 青 氏 (福岡大学) |
題目 | On the horizontal convex envelope in the Heisenberg group |
概要 | In this talk we extend fine properties of convex functions in the Euclidean spaces to sub-Riemannian manifolds. We first review the notion and basic properties of horizontal convex functions in the Heisenberg group. We next give a natural definition of horizontal convex envelopes of continuous functions and provide several concrete examples. The notion of convex envelope can be applied to understand horizontal convexity of viscosity solutions to various nonlinear PDEs in the Heisenberg group. It time permits, we will also discuss regularity of the horizontal convex envelope. |
日時 | 4月19日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 内田 俊 氏 (大分大学) |
題目 | 全空間領域上の二重拡散対流モデルに対する時間周期解の存在について |
概要 | 本講演では,多孔質媒質中の非圧縮性粘性流体の二重拡散対流現象を記述する方程式系について考察する.この方程式系は線型化されたBrinkman-Forchheimer方程式と,移流項を含む熱・溶質の拡散方程式からなり,大雑把に言えばBoussinesq方程式系内のNavier-Stokes方程式をStokes方程式に置き換えたものと類似している.その為,熱・溶質に関する移流項を非単調摂動として持つものの,Navier-Stokes方程式やBoussinesq方程式系よりもその取扱いは容易であり,実際次元が4以下の非有界領域上の初期値境界値問題が,Large data(与えられたデータ,特に初期値,外力項,時間間隔について小ささの仮定を課さない)に対して一意大域的な強解を有することが既に示されている.一方で時間周期問題を考えると,時区間を絞ることが出来ない為に移流項の非単調性の影響がより顕著となり,領域の非有界性(コンパクト性の欠如)とLarge data(解の大きさを制御できない)が相反する条件となってしまう.これに対して我々は,「有界領域における時間周期解の領域拡大に際する収束性」を議論することにより,次元が3または4である全空間領域上の時間周期問題に対する強解をLarge dataについて構成したのでこれを報告する.なお本講演は大谷光春教授(早稲田大学)との共同研究に基づくものである. |
日時 | 4月26日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 瀬片 純市 氏 (九州大学) |
題目 | Asymptotic behavior in time of solutions to complex valued nonlinear Klein-Gordon equation |
概要 | 本講演では, 空間1次元の場合にgauge不変な3次の非線形項をもつKlein-Gordon方程式の小さな解の長時間挙動について考える. この方程式の解は, 時刻無限大で線形Klein-Gordon方程式の解に散乱しないことが知られている. 未知関数が実数値の場合にDelort(2001)は解の時刻無限大での漸近形を捉えた. その後, 未知関数が複素数値の場合に砂川氏(2005)により解の減衰評価が得られた. 本講演では, 未知関数が複素数値の場合に解の時刻無限大での漸近形が得られたのでその結果を紹介したい. 時間があれば空間2次元の場合についても触れたい. |
日時 | 5月3日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 休会(憲法記念日) |
題目 |
日時 | 5月10日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 大枝 和浩 氏 (九州産業大学) |
題目 | Stationary solutions of a prey-predator model with population flux by attractive transition |
概要 | 本講演では、反応拡散方程式で記述される被食者-捕食者モデルの定常問題について議論する。 特に、捕食者の拡散について、捕食者の各個体の空間的遷移確率が、到達点における被食者の個体数によって決まる状況をモデル化した非線形拡散(捕食者が被食者の高密度な場所へ移動することを表す非線形拡散)を考える。 具体的には、捕食者の増殖率をパラメーターとしたときの正値定常解集合の大域構造を調べる。 また、非線形拡散項の係数を無限大にした時の正値定常解の漸近挙動について調べる。 なお、本講演は久藤衡介氏(早稲田大学)との共同研究に基づくものである。 |
日時 | 5月17日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 菱田 俊明 氏 (名古屋大学) |
題目 | Decay estimates of gradient of a generalized Oseen evolution operator arising from time-dependent rigid motion in 3D exterior domains |
概要 | 運動する剛体の障害物の周りでの非圧縮粘性流の解析は通常、座標変換により一定外部領域での問題に帰して行う。 剛体の運動が時間により変動する場合に、non-autonomous な線型化方程式の外部初期値境界値問題の生成する発展作用素の L^q-L^r 減衰評価を考察する。発展作用素の生成は Hansel-Rhandi によって、0階の減衰評価は講演者によって、それぞれ証明された。 本講演では空間1階微分の L^q-L^r 減衰評価を最適な形で示す。 剛体の運動の時間依存性は、有界性と Hoelder 連続性で十分である。 主定理は autonomous な場合、すなわち障害物静止の Stokes 半群 (Iwashita, Maremonti-Solonnikov), 一様な速度で並進するときの Oseen半群 (Kobayashi-Shibata), 一定角速度・ナ回転するときの半群 (Hishida-Shibata) の評価をすべて包括している。 障害物近くでの局所減衰評価と無限遠近くでの減衰評価を組み合わせる点は従来の議論の組み立てと同様であるが、スペクトル解析を陽に通さずに前者を導く点が新しく、また後者を示す際に現われる pressure を扱う上では発展作用素の時間微分の (-1)階 Sobolev空間での漸近挙動を解析することが鍵となる。 主定理の応用は広く、たとえば回転の starting 問題 (定常 Navier-Stokes 流の attainability) は non-autonomous な場合の線型解析を経て初めて解ける問題である。 |
日時 | 5月24日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 休会 |
題目 |
日時 | 5月31日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 片山 聡一郎 氏 (大阪大学) |
題目 | Asymptotic behavior for a class of derivative nonlinear Schrödinger systems |
概要 | 1次元あるいは2次元空間で, 臨界次数の非線形項をもつシュレディンガー方程式系に対する初期値問題を考える. これらの方程式系が小さな初期値に対して大域解をもつための十分条件として Li-Sunagawa (1次元), Sakoda-Sunagawa (2次元)によるものがあるが, 本講演ではこれらの条件の下での大域解の漸近挙動に関する結果を紹介する(ただし1次元の場合は条件を少し強める必要がある). 応用として, 例えば Colin-Colin によるレーザーとプラズマの相互作用を記述する方程式系の解が漸近自由ではないことなどを示すことができる. なお、本講演の内容は迫田大輔氏(大阪大学)との共同研究に基づく. |
日時 | 6月7日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 松澤 寛 氏 (沼津工業高等専門学校) |
題目 | Positive bistable型非線形項をもつ反応拡散方程式の自由境界問題における解の漸近的形状について |
概要 | 数直線(空間1次元)上の反応拡散方程式の自由境界問題を考える. 非線形項がロジスティック型の場合,この問題は外来生物の侵入現象のモデルとしてDu-Lin(2010)により提唱された. 本講演では正の安定平衡点を2つもつpositive bistable型とよばれる非線形項を考える. Kawai-Yamada(2016)は生物種の侵入の成功を表すspreadingについて, それぞれの安定平衡点に対応する2種類のspreading(small spreading と big spreading)が起こることを示した. 本講演の目的は上で述べた2種類のspreadingに対応する解の漸近的形状について最近得られた結果を報告する. 時間があれば空間多次元球対称の場合についても述べる. 本講演は兼子裕大氏(日本女子大学),山田義雄教授(早稲田大学)との共同研究に基づく. |
日時 | 6月14日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 矢崎 成俊 氏 (明治大学) |
題目 | 紙の燃焼現象を追跡する界面方程式とその数理解析 |
概要 | ガス燃焼現象の基本的な方程式としてKuramoto-Sivashinski方程式が知られている. 本研究では,Kuramoto-Sivashinsky方程式を固体燃焼現象に適用し,実験解析,数値解析,画像解析,および数学解析の多角的視野から方程式の妥当性と課題を検証したい. 本研究内容は,桑名一徳(山形大学),上形泰英(明治大学),小林俊介(明治大学)との共同研究に基づく. |
日時 | 6月21日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 赤木 剛朗 氏 (東北大学) |
題目 | Traveling wave dynamics for the Allen-Cahn equation with non-decreasing constraint |
概要 | This talk concerns a one-dimensional Allen-Cahn equation on the whole line with non-decreasing constraint, which forces the growth of each solution to be non-decreasing. The study on such constrained evolution equations are motivated from phase-field models in Damage Mechanics. Indeed, evolution of damage is supposed to be monotone due to the nature of damaging. In this talk, we shall discuss traveling wave dynamics, which has been well studied for classical Allen-Cahn equations, for the constrained one. More precisely, we shall start with constructing a traveling wave solution and investigate its properties. Furthermore, the traveling wave dynamics turns out to be relevant to a free boundary problem with a peculiar motion equation for the boundary through an analysis on a regularity issue for the constrained Allen-Cahn equation, and then, such a viewpoint brings us a perspective on a stability issue for traveling waves. |
日時 | 6月28日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 星野 壮登 氏 (九州大学) |
題目 | Global well-posedness of some singular stochastic PDEs |
概要 | 前半では導入として,確率的なノイズを含む微分方程式を考える動機を説明し,伊藤解析から最近のHairer理論に至るまでの流れを概説する. 後半ではいくつかの具体的な確率偏微分方程式を示し,その解の長時間存在や平衡測度について議論する. |
日時 | 7月5日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 休会 |
題目 |
日時 | 7月12日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 菊池 弘明 氏(津田塾大学) |
題目 | Ground states to combined power-type nonlinear Schrödinger equations in three space dimensions |
概要 | この講演では、空間3次元の非線形シュレディンガー方程式のground stateについて話したい。 ここで考える非線形項は二重冪で、そのうち、一方はソボレフ臨界のものとする。ソボレフ劣臨界の冪の指数が3以下のとき、振動数が高いと、ground stateは存在しない ことを説明したい。 また、時間に余裕があれば、ground stateの非退化性についても触れたい。 この講演は、赤堀公史氏(静岡大), Slim Ibrahim氏(University of Victoria), 名和範人氏(明治大)との共同研究に基づく。 |
日時 | 7月19日(金) 15:30--17:00 |
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講師 | 筒井 容平 氏(信州大学) |
題目 | A sparse bound for a time-integral operator with wave propagator |
概要 | 本講演では, 波動発展作用素を含む時間積分作用素の sparse bound と呼ばれる各点評価を考察する。 この作用素は、local smoothing conjecture や maximal Riesz means に関連する。 特に、この作用素が後者の解析に役立つことが Sogge により明らかにされている。 このような作用素に対して、近年、多くの作用素に対して考えられている sparse bound を与えることを目的とする。 証明は, Lerner and Nazarov の定理に強く頼る。また、本講演の主結果は上述の予想には程遠いことを注意しておく。 |