金行壯二(日本工大)

Bi−Lagrangian対称空間(パラエルミート対称空間とも言う)とは symplectic対称空間であって1対の不変Lagrange葉層構造 F', F"を持つものである。表現論で出てくるCayley型対称空間はこれの特別なものである。半単純リー群のbi-Lagrangian対称空間はcoveringを除いて双曲随伴軌道として表される。ここでは単純リー群のbi-Lagrangian対称空間に対して、二重葉層構造を不変にする微分同型のなす群(bi-Lagrange構造の自己同型群) を決定する方法について述べたい。対象は幾何学的なものであるが、手法は表現論で普通に用いられるものである。具体的内容は次ぎの通りである。
  1. 階別リー環からbi-Lagrangian対称空間Mへ
  2. bi-Lagrangian対称空間の(同変)コンパクト化
  3. コンパクト化の軌道構造
  4. 境界軌道の固定部分群
  5. 軌道のSiegel型の実現
  6. ジョルダン三項積内の行列式多様体とコンパクト化の成層分解(stratification)、成層分解のC-infinity stability
  7. 最小境界軌道M_0 上の一般化された共形構造
  8. Mのbi-Lagrangian構造の自己同型群とM_0の一般化された共形構造の自己同型群の関係


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