最終更新日:2020年1月1日
標記の本についてです.
正誤表はこちら. (200101)
フランスのナンシー大学に今は亡き Eymard 先生がおられて,その先生が1991年にフランス語で講義をしてみないか,という
ことで私をナンシー大学に招いてくださったのでした.そのときに使わせてもらったポジションが,高橋礼司先生がナンシー大学を
退職されて日本に帰国されたあとの後任の教授が,ストラスブール大学に転出して空席になったポジションでした.私の最初の
学術論文が,高橋先生の若い頃の論文の習作であることからも,何か深い縁のようなものを感じます.
その後の京大での講義で,フランス語で書いていた講義ノートを日本語にし,九大に移ってそれを TeX 化して,という流れが
あります.扱う内容は,3年生前期までの,代数,幾何,解析というようにそれぞれ独立のカリキュラムで学習した数学を
総合的に応用するという場面を提供する絶好のものであると思っています.古典的な球面調和函数の理論を直交群の作用を前面に
押し出して,よりモダンに,そしてその背景で働く SL(2,R) という群(実際はその2重被覆群ですが)とのペアを,表現論における
双対ペア (dual pair) の典型的な例として扱うものです.計算は具体的にし,いくつかの特殊函数にも触れる面白い内容です.
数学セミナーの 2015年6月号の私の書いた記事*の最後の部分とも関係します.
ご期待ください.(160908)
* 内容を一部修正して,日本評論社から出版された数学セミナー増刊号『大学数学の質問箱』に収録されています.(190606)
現状は本文95%程度の仕上がりです.今年中の脱稿を目指しています.
執筆中にいろいろ考えたり,文献を調べたりしているうちに
面白いことがわかって,
そのために脱稿が遅れていますが,なんとか今年中にはと思っています.
私の web page に「極座標・
回転群・SL(2,R)」と称する講義ノートがありますが,
間違いや誤植がたくさん含まれてます.本書はこの講義ノートに大幅に加筆し,
間違いや誤植は修正しています.脱稿が近づいてきたら,目次だけアップします.(171024)
現在初校中です.証明や地の文章の練り直し,演習問題の解答の洗練化,誤植や脱字の発見等々,
出来得る限りのことをしています.
なんとか夏までには出版にこぎつけたい.
今回も PDF 入稿です.私自身でページの割り付けを行なっています.
まえがき,目次,索引,文献併せて 369 ページになりました,
(180221)
順調に行けば,2018年7月中に日本評論社から刊行の運びとなります.
現在最終のチェック中です.
学部3年生後半からでも読めるように,
予備知識となる事柄も充実させる一方で,
予備知識をすでにお持ちの方のために,
他書にはあまり見られない演習問題も採録して,
解答も書いておきました.
主題の球面調和函数とともに,楽しんでいただけると
思います.(180430)
印刷用の原稿を提出しました.
本の目次
(180609)
白焼きの校正が終わり,本日返送しました.
7月25日頃に主な書店に並ぶかと思います.
その1週間前に見本が届くようです.私自身,今からとても楽しみにしています.
(180626)
ウェブ書店をはじめ,書泉グランデ等の書店にも並びはじめたようです.(180726)
出版社のページ,Amazonのページ.
補遺
問題11.1.5において,Picardの定理を用いずに,ez = z + 1 をみたす複素数 z ≠ 0 が無数にあることを初等的に示したものはこちら.(190320)