無限粒子系の確率解析学の発展、深化、新展開【基盤研究(A)課題番号21H04432】(長田博文)

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新着情報

コンシェルジュ

このホームページは、以下のように構成されています。

研究概要
チームの紹介と研究目的、主な研究結果を掲載しています。
シンポジウム
この科研費に関係する研究集会について掲載しています。
シミュレーション
この研究の対象の中で、一番典型的な、Ginibre点過程とGinibre干渉ブラウン運動のシミュレーションを掲載しています。
講義ノート
この研究に関係する集中講義やサマースクール等の講義ノートを掲載する予定です。
講演記録
この研究に関係する主な講演の記録を掲載しています。
研究成果
受賞記録および論文リストを掲載しています。

ご挨拶

本研究は、対称性を持つ無限次元確率微分方程式の新しい理論に基づき、無限粒子系の確率解析学を構築することを目指します。この解析学は、本質的にすべてのギッブス測度を口切りに、ランダム行列の固有値の熱力学極限やランダム解析関数の零点として出現する無限粒子系など、今まで手が出せなかったような遠距離強相互作用を持つ系に対しても有効です。それを用いて、遠距離強相互作用が生み出す、通常のギッブス測度とは異なる、様々な新奇な現象を解明します。
 一方、対数干渉ポテンシャルを備えた逆温度β=2の1次元空間の無限粒子系という特別なクラスについては、可解モデルとしての構造を用いて、モーメントや遷移確率の無限次元の類似物等の明示表現を得ます。更に可解モデルの構造を確率解析的理論と融合させ、精密な粒子の漸近挙動を解明します。
 研究対象の多くはランダム行列と関係し、また、KPZ方程式といった統計物理に関連するものです。確率偏微分方程式や確率幾何・行列式測度に代表される様々な新しい点過程のクラスなど、純粋数学としての解析/幾何/代数にまたがる広がりを追求すると同時に、理論の有効性に関する試金石として数理物理的諸問題に取り組みます。

 本研究は、以上の課題を分担者の舟木直久氏(東京大学)、種村秀紀氏(慶應義塾大学)、香取眞理氏(中央大学)、白井朋之氏(九州大学)、笹本智弘氏(東京工業大学)と共に解明していきます。

研究チームを代表して
長田博文 (九州大学/確率解析研究センター)