数学特論18

Last updated: 10/02/12.

レポート問題のまとめなどは,以下の「配布プリント」参照(漸く,作りました 1/18).

重要なお詫び:レポートの締め切りをこのページで告知するのを忘れていました.(もちろん,大体の 日付は講義中に言いましたし,数理事務室には伝えてありましたが).これはこちらのミスです,特に,数理事務室に 行かないと正式な締め切りがわからない状態であったのには,大変に申し訳なく思っております.
万が一のことを考え,このような事情でレポート提出が遅れた人は,
   直接,原まで,2/15(月)の午後1時から3時の間に
持ってきて頂ければ,考慮することにします.


学部4年生向け(2009年度秋学期,毎週月曜4限).

講義概要: 物理学の主要なテーマ(相対論,量子力学,統計力学など)を3回程度の読み切りの 形で講義します. それぞれのテーマの理解には,本来ならば物理学科での全教程が必要であるので, 完全な講義は到底,望めません. そこでこの講義では,皆さんの数学的知識を前提にして,それぞれのテーマの骨子 (数学的構造)をわかりやすく呈示することを主目的とします. また可能な限り,「なぜそのような理論体系になったのか」の背景説明をも加えるように努力します. 昨年度はちょっと根性が入りすぎて,「よくわからなかった」とのご意見も 頂いたので,今年は物理的な側面については少し自重するつもりです.

レポート問題を漸く up しました.下の方の「配布プリント」内にあります.

講義の計画: 以下の各テーマのそれぞれを1〜3回程度で講義する.
  0.科学とは何か?科学的手法とは?(9/28)
  1.力学と解析力学(10/5, 19)
  2.特殊相対論と電磁気学(10/26,11/2, 9)
  3.一般相対性理論(11/16, 30)
  4.量子力学(12/14, 21, 21)
  5.熱力学と統計力学(1/18 + 1/25)

これまでの講義の概要:
  0. 科学とは何か (9/28).まず始めに, 「物理とは何か」「物理と数学の違い」をある程度,標語的に述べた. また,「科学に似て非なるもの」を例に挙げて,科学的営みについて解説した.
  1. 力学(10/5):ニュートン力学について復習した.
  2. 解析力学(10/19):変分原理について簡単に説明した後,最小作用の原理,ラグランジュ形式などについて講義した. (ハミルトン形式は量子力学と絡めて後でやります.)
  3.特殊相対論と電磁気学その1(10/26):光速度不変の原理の実験的裏付けに簡単に触れた後, その帰結としてどのような時空概念が適当と考えられるか (特殊相対論の基本的な考え方),を述べた.
  4.特殊相対論と電磁気学その2(11/2):前回の復習の後,速度の合成則を説明.そのあと, 相対論的な力学法則(運動量とは,エネルギーとは,...)に入った. 運動量保存則が成り立つように 運動量を決め,「運動量の時間微分=力」として力を決め,それに基づいて運動している質点の 運動エネルギーの表式を導出した辺りで時間切れ.
  5.特殊相対論と電磁気学その3(11/9): 相対論的な力学法則(運動量とは,エネルギーとは,...)の続き.これをいろいろな場合に考察することで,E= mc^2 に 導かれることをおおざっぱに説明(最後の方はちょっと時間切れ).
  6.一般相対性理論その1(11/16)等価原理,一般相対性原理など,一般相対論の 基礎にかかわる物理の考え方を述べた後,基礎方程式を概観した.調子が悪く,あまり 話せなかった.
  7.一般相対性理論その2(11/30)等価原理の復習の後,一般相対論の基礎方程式, 特にそこに出てくる曲率テンソルなどの意味を主に説明し,Einsteinの 方程式を導出する方法(というより,時間の関係で導出するための指導原理) を説明した.
  9.量子力学その1(12/14)量子力学の枠組み(系の状態,観測量,観測値,時間発展 )について概説した.これらの詳しい帰結(特に重ね合わせの原理)は来週.
  10, 11.量子力学その2,その3(12/21) 量子力学の枠組みを復習した後,エネルギー固有状態(定常状態)の意味,時間発展の規則,観測の問題などについて概説した.
  12.熱力学その1(1/18) 熱力学の考え方,等温操作,断熱操作などについて説明した.

参考文献:一般的な参考書は配布プリント(下にあります)に書きます. それぞれのトピックについての補足的な参考書は,それぞれの講義中に適宜紹介し,ここにも載せる 予定です.

講義ノート,レポートなど.

配布プリントの中には,もしかしたら単純なタイプミスや計算間違いがあるかもしれません. このようなものはない方が良いのは当たり前ですが,実際問題として少々のミスが混入する事を 防ぐ事は不可能です.この点はご了承の上,ご利用ください.


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