2001年度後期講義内容シラバス(数学展望 II)

Last modified: October 9, 2001

サブタイトル:確率論で見る自然(社会)現象 (担当:原 隆)

対象学年:1年, 単位数:2,  専門基礎科目A・選択

成績評価方法:学期中出題のレポートや小テスト (と場合によっては期末テスト)で判断する.

教科書および参考書: 教科書は指定しない.参考書については適宜,講義やこの web page で紹介する.

授業の目的: 数学と自然現象の関わりの一例として,「確率論」を取り上げ,確率論を通して 自然現象を見ていく.その過程で数学的・科学的にものを見るとは どう言うことか,などにも触れたい.

授業予定と内容: 確率という言葉は日常用語ですし,「確率的」な考察は日常生活でも よく見られます.例えば「(硬貨投げで)今まで3回裏がでたから, 次は表に違いない」など.でも,本当でしょうか?

この講義ではこのような簡単な例から始めて,確率論の世界に入っていきます. その過程で,我々の直感は必ずしも当てにならない場合があること, そして数学的な考察で誤った直感を修正できること,に気づくでしょう. 同時に,ランダムなものを扱っているはずの 確率の世界にも大変に美しい法則性が潜んでいることも見えてくると思います.

具体的には大きく分けて3つの話題(確率論事始め,条件付き確率とベイズ推定, 大数の法則と極限定理)をカバーしたいと考えています.ただし, 堅苦しい確率論の講義にはせず,具体的な問題を考えていく上でこのような 話題が自然にカバーされるように持って行くよう,努力します.

キーワード:確率論, 独立性,期待値,条件付き確率,大数の法則,中心極限定理

履修に必要な知識: 前学期の必修科目(数学基礎I,II)程度のみを要求する. 確率論の予備知識は全く仮定しない.

履修の際のアドバイス: 「確率論」と聞いて「場合の数をいろいろ数えるやつか」と思ったあなた, ちょっと待った.確かに確率論にはそのような側面もありますが,その裏には もっと一般的な原理が拡がっています.さらに確率の知識を使うと, 一見パラドックスに見えるような現象が良く理解できたりするのです. この講義ではそのような確率論の面白さを少しでも紹介できたらと 考えており,数学志望であるなしに関わらず歓迎します. なお, 原の web page に, より詳しい情報を載せて行く予定です.


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