教官氏名 |
針谷 祐 (HARIYA Yuu) |
所属部局名、
学科部門名 |
数理学研究院 |
職名 |
COE博士研究員 |
電子メール |
hariya@math.kyushu-u.ac.jp |
ホームページ |
- |
電話番号 |
092-642-7134 |
FAX番号 |
092-642-7134 |
取得学位 |
博士(数理科学)・東京大学・2001年3月 |
専門分野 |
確率論 |
研究・教育・
社会活動概要 |
統計力学・場の量子論に関連して、相互作用を持つ無限粒子系に
興味がある。特に経路空間においては、それらは(静的な意味では)
ブラウン運動の種々の汎関数による摂動として定式化され、その操作により
得られる極限測度について研究して来た。その際ブラウン運動の、特に
相互作用を持つ汎関数についての研究が重要となる。それを行う上での
困難さの一つは相互作用を持つが故のマルコフ性の欠如である。
マルコフ性とは、例えば空間内を運動する粒子の運動の将来の動きが、
それまでこの粒子がどのような経路を辿って来たかといった履歴に
依らないという性質で、ブラウン運動はこのようなマルコフ性を持つ
確率過程、いわゆるマルコフ過程、の典型例である(マルコフ過程のパス(道)が
確率1で連続のとき特に拡散過程と呼ばれる)。これまでの確率論は
主として、ブラウン運動を含めマルコフ過程の研究を中心にして発展して
来た。従ってこの方面では研究を進める上での様々な道具立てが揃っている。
一方、無限粒子系など、統計力学にその動機付けを持つ離散モデルには
マルコフ性を持たない研究対象が多々あり、そのような分野ではある種の
単調性・凸性を用いた独自の議論が編み出され、研究が進められて来た。
このような統計力学において発展して来た議論を援用してブラウン運動の
相互作用を持つ汎関数の研究を行っている。また、考える対象を高い次元の
空間に上手く埋め込むことでマルコフ性を回復するという方法も考えられると
思う(実際、場の量子論のあるモデルに付随して現れる相互作用は、
無限次元拡散過程の、有限次元空間における断面である)。
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研究のキーワード |
ブラウン運動, 相互作用を持つ無限粒子系, 無限次元拡散過程 |
研究業績 |
[1] |
Y. Hariya, H. Osada: Diffusion processes on path spaces with
interactions, Reviews in Mathematical Physics, Vol.13, 199--220 (2001)
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[2] |
Y. Hariya, M. Yor: Limiting distributions associated with moments of
exponential Brownian functionals, Studia Sci. Math. Hung., Vol.41, 193--242
(2004)
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[3] |
Y. Hariya, M. Yor: On an extension of Dufresne's relation between
exponential Brownian functionals from opposite drifts to two different
drifts: A short proof, Stat. Probab. Lett., Vol.67, 331--341 (2004)
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所属学会名 |
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教育活動 |
2001年10月16日--2002年3月まで東京工業大学大学院理工学研究科
数学専攻教務補佐員として大学1年次の数学演習を担当 |
社会連携活動 |
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その他 |
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