｜事業推進担当者｜COE研究員｜COE事務室｜ 教官氏名 小西貞則　(KONISHI Sadanori) 所属部局名、 学科部門名 数理学研究院数理科学部門 職名 教授 電子メール konishi@math.kyushu-u.ac.jp ホームページ - 電話番号 092-642-2766 FAX番号 092-642-2766 取得学位 理学博士・広島大学・1979年7月 専門分野 統計科学、非線形多変量解析、非線形モデリングと情報量規準 研究・教育・ 社会活動概要 統計科学は、自然科学・社会科学における諸分野の不確実性を有する現象の解明とその本質の探求のため、観測・測定データから有効に情報を抽出するための手法開発と数理的・理論的研究を主な目的としています。ここでは、最近の研究成果と現在継続中の研究を紹介します。 　１．高次元のデータ構造を探索し、内在する情報を有効に抽出するための手法として、多変量解析という統計手法があります。この多変量解析の推測論の研究に関しては、理論や数式に基づく解析的アプローチが難しい複雑な問題が生じます。このような問題に対して、計算機を用いた数値的計算法、特にブートストラップ法と呼ばれる手法によって有効な解が得られることを立証し、手法の理論構造を明らかにすると供に、一般理論を構築してきました。現在、計算機の利用を前提とした新しい視点に立った理論・方法論の研究を行っています。 　２．これまでの統計科学の歴史の中で、諸科学への応用という観点からみたとき、貢献度の高い手法の一つとして情報量規準AIC (Akaike's information criterion) が上げられます。AIC は、統計モデルの良さを評価するための有効な手法として、様々な分野の現象解明に寄与してきました。現在、計算機の急速な発展と利用環境の飛躍的な向上によって、複雑かつ多様な様相を呈する現象分析のための統計モデルの研究が集中的に行われています。これらは、核関数、スプライン、ニューラルネットワークなど様々な方法に基づいて構成され、モデルの構築過程においてモデルの評価が本質的となってきました。この問題に対して、情報量に基づくモデル評価規準の研究を行い、AIC に付与された最尤法の枠を外し、多様なモデルの評価を可能とする評価規準を提唱しました。現在、開発した手法を実際問題へ適用すると供に、非線形構造を有する高次元データに対するモデリングを研究中です。 　３．確率分布モデルと事前分布を通して得られるベイズモデルは、様々な分野の現象分析のための有効な手法として用いられています。このベイズモデルの評価と種々の事前分布の探索を可能とする情報量規準について研究しました。ベイズモデルはその複雑さ故に適用上の難点をもつ場合があり、現在、解析的導出を計算機を用いた統計的計算法へ置き換え、可能な限り汎用性の高い柔軟な手法を開発中です。 研究のキーワード 非線形多変量解析、ブートストラップ、非線形モデリング、情報量規準、ベイズモデル、モデル評価規準、ニューラルネットワーク、識別・判別問題、推測理論、漸近理論 研究業績 [1]　 Normalizing transformations of some statistics in multivariate analysis. Biometrika, 68 (1981), 647 - 651. [2]　 Testing hypotheses about interclass correlations from familial data. Biometrics, 41 (1985), 167 - 176. [3]　 Effects of transformations in higher order asymptotic expansions (with N. Niki). Annals of the Institute of Statistical Mathematics, 38 (1986), 371 - 383. [4]　 Inferences on multivariate measures of interclass and intraclass correlations in familial data (with C. G. Khatri and C. R. Rao). Journal of the Royal Statistical Society, Series B, 53 (1991), 649-659. [5]　 Normalizing transformations and bootstrap confidence intervals. Annals of Statistics, 19 (1991), 2209-2225. [6]　 Principal component analysis for multivariate familial data (with C. R. Rao). Biometrika, 79 (1992), 631-641. [7]　 Maximum likelihood estimation of an intraclass correlation in a bivariate normal distribution with missing observations (with K. Shimizu), Communications in Statistics-Theory and Methods, 23 (1994), 1593-1604. [8]　 Application of the bootstrap methods in factor analysis (with M. Ichikawa), Psychometrika, 60 (1995), 77-93. [9]　 Generalised information criteria in model selection (with G. Kitagawa), Biometrika, 83 (1996), 875 - 890. [10] Bootstrap tests for the goodness of fit in factor analysis (with M. Ichikawa), Behaviormetrika, 24 (1997), 27 - 38. [11] Resampling methods for error rate estimation in discriminant analysis (with M. Honda), in Data Science, Classification, and Related Methods, C. Hayashi et al. (Eds.), Springer-Verlag Tokyo, (1998), pp. 268 - 275. [12] Statistical model evaluation and information criteria, in "Multivariate Analysis, Design of Experiments,and Survey Sampling" (Ed. by Subir Ghosh), Marcel Dekker New York, (1999), pp. 369 - 399. [13] Model evaluation and information criteria in covariance structure analysis (with M. Ichikawa), British Journal of Mathematical and Statistical Psychology, 52 (1999), 285 - 302. [14] 統計的モデリングと情報量規準構成の理論 - 汎関数に基づくアプローチ -, 数学, 52 (2000), 128 - 141, 岩波. [15]　 動径基底関数ネットワークに基づく非線形回帰モデルとその推定 (安道知寛、井元清哉　共著), 応用統計学, 30 (2001), 19 - 35. 所属学会名 日本数学会：評議員（平成８年）。 日本統計学会：評議員（昭和５８年〜昭和６０年、昭和６２年〜平成６年、平成８年〜）、理事（昭和５７年〜昭和５９年、平成４年〜平成６年）、編集委員（昭和６３年〜平成２年）、欧文誌編集長（平成１０年〜平成１２年）、理事長（平成１２年〜）。 応用統計学会：副会長（平成２年〜平成６年）、編集委員（昭和６０年〜平成６年）、会長（平成１２年〜）。 日本計算機統計学会：編集委員（平成１０年〜平成１３年）。 Institute of Mathematical Statistics、American Statistical Association、International Statistical Institute。 教育活動 大学院教育：現在指導中の大学院生は、博士後期課程３名、博士前期課程５名。 大学院講義科目：統計数理学基礎・同演習 学部講義科目：統計数学 A、情報統計学・同演習 国公立私立大学・研究機関において集中講義・セミナーを通して、最新の研究成果の紹介とアイディアの交換、討論を行う。 社会連携活動 統計数理研究所公開講座、国公立研究機関において統計的分析手法の紹介を行う。 Annals of the Institute of Statistical Mathematics: Editor（平成２年〜平成５年）、Associate Editor（平成６年〜）。 Bulletin of Informatics and Cybernetics: Associate editor （平成６年〜）。 Journal of Statistical Planning and Inference: Associate editor （平成１３年〜）。 その他 統計数理研究所公開講座、国公立研究機関において統計的分析手法の紹介を行う。 Annals of the Institute of Statistical Mathematics: Editor（平成２年〜平成５年）、Associate Editor（平成６年〜）。 Bulletin of Informatics and Cybernetics: Associate editor （平成６年〜）。 Journal of Statistical Planning and Inference: Associate editor （平成１３年〜）。 ｜事業推進担当者｜COE研究員｜COE事務室｜