九州関数方程式セミナー 平成25年度後期講演

日時 12月 6日(金) 15:30--17:00
会場 福岡大学 セミナーハウス 2階 セミナー室
講師 柘植 直樹 氏 (岐阜大学)
題目 ラバル管内の等エントロピー流れ
--定常流の物理的性質、空間変数に依存する不変領域、時間大域解の存在--
概要 本講演では、ラバル管内の気体の流れについて考える。ここで、ラバル管とは、狭まり広がりの形状をした、ちょうど砂時計のようなノズルである。この現象を記述するのは、圧縮性オイラー方程式という準線形双曲型の方程式である。 まず、定常流を考え、このラバル管が工学や物理でどのように応用されているのかを説明する。その事を通して、なぜ色々な形状のノズルの中で、ラバル管が最も重要なのかを示す。また、この事にも付随するが、ある重要な定常流を紹介する。さらに、ラバル管と宇宙流体力学との以外な接点についても述べる。 次に、非定常流に対して、その時間大域解の存在について考える。この方程式に対しては、時間大域解の存在は殆ど分かっていない。一番問題になっているのが、アプリオリ評価に相当する解の有界評価である。この評価を導出するときは、長い間Chueh,Conley,Smollerの不変領域の理論が用いられてきた。しかしながら、この方程式には、この手法を適用することはできない。そこで、本講演では、空間変数に依存する不変領域を導入する事によって、この問題を解決する。その過程で、ラバル管の幾何的形状が重要になる。その事についても触れたい。

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