日時 | 7月29日(金) 15:30--17:00 |
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会場 | 福岡大学 セミナーハウス 2階 セミナー室 |
講師 | 中西 賢次 氏 (京都大学・理) |
題目 | 非線形 Klein-Gordon 方程式のソリトンの中心安定多様体 |
概要 | これは Wilhelm Schlag (University of Chicago) との共同研究である。非線形Klein-Gordon方程式の非自明定常解から Lorentz 変換で生成されるソリトン族を考える。定常解が不安定な事は良く知られているが、エネルギー劣臨界かつ L2 超臨界の基底状態の場合、その安定方向へ摂動された解集合が、散乱解と爆発解の境界を成す。この境界集合がソリトンの中心安定多様体としてエネルギー空間内の超曲面になる事は、非線形Schrodinger 方程式に対する Schlagの論法と同様に、条件付き漸近安定の形で示す事ができる。しかしこの方法は線形化作用素に対する時空大域的分散性評価を用いるため、そのスペクトルに強く依存し、レゾナンスや純虚固有値が有ると困難になる。この講演では、条件付き軌道安定の形であればスペクトルの条件はずっと緩くてすみ、特にL2 劣臨界や励起状態にも適用できる事を示す。 |