概要 |
近年、”Dissipative soliton” と呼ばれる、非平衡開放系に現れる局在構造の研究が盛んになってきている。例えば非線形光学の分野でも、非線形光共振器内でdriving とdissipation 及び、detuning を伴うレーザー光の共振現象によるパターン形成の研究が盛んに行われている。このパターンはパルス状のものであり、あるパラメータ範囲内でパルスの増殖や 消滅現象が見られる。これは、あるパラメータ範囲内で定常解のサドルノード分岐が断続的に起こる、“snake bifurcation” の存在から定性的には理解される。本講演では、モデル方程式である damping と driving 及び detuning を伴う非線形シュレーディンガー方程式(Lugiato-Lefever方程式)の空間的に一様な定常解に対する分岐解析を紹介する。特に、空間一次元の 有界区間における周期境界条件下で問題を定式化した場合、一様定常解が一般にピッチフォーク型分岐を生じることを示す。さらに、分岐の型が超臨界型と亜臨界型とに分けられる余次元2分岐点近傍において、より詳細な分岐解析を行い、その特異点近傍に、大域的な分岐情 報の一端が垣間見られることを報告する。この研究は、大西勇(広大(理))、堤誉志雄(京大(理))両氏との共同研究であることを申し添えます。
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