中村 徹 (Tohru NAKAMURA) のページ
1. 粘性保存則の解の漸近挙動
現在の専門は非線形偏微分方程式です。特に流体方程式に現れる
解の時間漸近挙動、つまり時間が経つにつれて
解がどのように変化していくか、ということに興味があります。
流体方程式の基本的なものとして粘性保存則という方程式があります。
この方程式は比較的簡単な形をしているにもかかわらず、
境界条件などのパラメータの値によって、
粘性衝撃波、希薄波、定常波などといった様々な非線形波が現れ、
流体方程式の解析を進める上で重要な役割を果たすと考えられています。
現在は、もとの方程式のパラメータに応じてどのような
非線形波に漸近するのか、またその漸近の速さはどのくらいなのか、
といったことについて研究を行っています。
--関連結果のアブストラクト--
2. 圧縮性Navier-Stokes方程式の球対称解の漸近挙動
流体の運動を記述した方程式に圧縮性Navier-Stokes方程式というものが
あります。
この方程式は解析が非常に難しく、
現在でも未解決の問題がたくさん残っています。
その中でも外部領域における球対称解の漸近挙動に興味を持ち、
数学的な解析を行っています。
この問題の物理的な例としては、
地球の周りの大気が重力の影響を受けながら運動するモデルなど
が挙げられます。
--関連結果のアブストラクト--
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等エントロピーモデルにおける定常解の漸近安定性:
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熱伝導を含む理想気体モデルにおける定常解の漸近安定性:
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3. 今までに行った研究
ここに学部の卒業研究や修士論文研究で扱ったテーマについて
まとめておきます。
- 平成9年度学士論文研究
- 題目:
- Runge-Kutta 法によるカオス生成定理
- 内容:
- スカラーの常微分方程式を考えます。
この方程式の解が時間とともに漸近安定な平衡解に収束するという意味で
力学的に単純な挙動を示したとしても、前進 Euler 法などの差分法を
適応して得られる差分方程式は、もとの常微分方程式の解の挙動とは異なり、
カオス的な挙動を示すことが知られています。
本研究では差分化の手法として Runge-Kutta 法を用いた場合でも、
同様にカオス解が生じることを数学的に証明しました。
- アブストラクト:
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Logistic方程式に対して差分法を適用したときの分岐ダイアグラム。
左図は修正Euler法、右図は古典的Runge-Kutta法を適用。
(クリックすると大きな画像が別窓で表示されます)
- 平成11年度修士論文研究
- 題目:
- On the Li-Yorke Chaos of a Non-linear Elliptic Boundary Value Problem
- 内容:
- カオス解を生じる力学系として、人口増減をモデル化した Logistic
差分方程式というものがあります。この方程式は 1 次元の方程式ですが、
空間方向の拡散を考慮にいれることで、楕円型の作用素によって記述される
無限次元の差分方程式が得られます。
本研究ではこの無限次元の差分方程式が Li-Yorke 的なカオス軌道を
持つための十分条件について考察しました。
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