今野拓也 1
Date: 2008年11月17日
[答](1) ○ (2) ○ (3) × (例えば の中心は自明だが .) (4) × (部分群だが正規とは限らない。) (5) ○ (127は素数である。) (6) × ( だが逆は必ずしも正しくない。) (7) ○ (8) × ( の商群は単位群と , それに 自身だけである。) (9) ○ (10) × ( は像も核 もアーベルだが、 は非可換である。)
[答](1) 内の共役類は の分割と一対一対応する。分割 , ( )に対応する共役類の元の位数は の最小公倍数であった。よって に含まれる共役類は分割
に対応する 個である。
(2)群ではない。例えば に属する , , をかけ合わせると が得られるが、これは に属さない。
[答](1)位数 の群 の中心を と書く。類等式
の右辺の和において、 から であるからこの和は偶数である。よって も偶数であるから である。よって素数位数の は巡回群だから演習でやった章末問題(31)から である。
(2) の中心を と書く。 のいずれかだが、 のときには が(素数位数なので)巡回群になってしまい、やはり章末問題(31)から となって矛盾。よって である。類等式
において で右辺の和の各項は または だから、求める具体的な類等式は
である。
特に となる がある。 は素数位数だから巡回群 で、 から である。 を取れば、 で非アーベル性から
でなくてはならない。さらに は と可換だから である。すなわち である。
[答](1)有限部分群 内の位数が最大の元 を取り、その位数を とする。 だから , ( は と素)と書ける。Euclidの互除法から となる が取れて
である。同様に の位数が なら適当な があって である。 の最大公約数を と書けば、Euclidの互除法により となる がある。このとき は
を含み、その位数は である。これが 以下になるのだから は の約数でなくてはならない。すなわち ( の 乗根全体の群)となる。
(2) とおけば、これが準同型であること、 が上の であることは明らかである。また勝手な に対して多項式 は一次式の積に分解する: . このとき となるから は全射である。よって準同型定理から は同型 を与える。
[答] だから、 , は から一意に定まる。よって は定義可能な写像で、加法を保つのは明らかだから準同型である。
となるためには が の最小公倍数で割りきれることが必要十分である。Euclidの互除法
から、 で問題の最小公倍数は だから、求める核の位数は .
[答] は正 角形の合同変換群だったから反時計回りの 回転 と 軸に関する折り返し を使って と書けていた。
[答](1) であるから、正規部分群 の指数の可能性は である。 ならそれぞれ である。
の左辺は非自明となり、 は の指数 の正規部分群でなくてはならない。しかしそのような正規部分群は存在せず矛盾である。
は正規だから共役類の合併に書け、位数が だから (Kleinの4群)となる。同じ理由で の位数 以下の正規部分群は存在しないことがわかる。
(2)上で求めた正規部分群で を割って、求める商群は , , , の4つである。
[答](1) は回転行列からなるアーベル群 である。例えばその元 に対して
であるから、その中心化群は
である。これはすでに の任意の元と可換だから求める中心化群 はこの群である。
(2) であるためには、任意の に対して :
つまり が必要十分。 と書くと、これは
と書けること、すなわち , を意味する。つまり (直交行列のスカラー倍のなす群)である。また
よって である。