新しい XeLaTeX 0.996 以後は TeXLive / MacTeX に付属するようになったようだ。 これらは pLaTeX と共存させることができるが、XeLaTeX と pLaTeX を同時に使うにはソースのコードを UTF-8 に統一することが必要となる。 その為に、TeXShop の UTF サポートを OFF にして、その機能をスクリプトファイルに取り入れることとした:(added 16th/Aug/2008)

TeXShop での XeLaTeX と pLaTeX の切替使用の為に選択用のヘッダを LaTeX ソースにつける事にした。 以下のヘッダを付けると XeLaTeX で typeset を行う。

%!TEX encoding = UTF-8 Unicode <ー 訂正しました。ごめんなさい。
%!TEX TS-program = XeLaTeX
\ifx\undefined\XeTeXversion
\input <platex 用インクルードファイル>
\else
\input <xelatex 用インクルードファイル>
\fi

このヘッダの中で第二行の行末に '%' を付けて

%!TEX TS-program = XeLaTeX%

とすると pLaTeX で typeset を行うようになる。 ただし、その実現の為には アーカイブ にあるスクリプト(platex-utf,ptex-utf)をコンパイル用に指定することが必要になる。 このスクリプトは、内部でやはり アーカイブ にあるコード変換コマンド(nkf,utf8toutf)を実行する。



パールを使うせいか非常にもたもたしたコンパイルスピードであるが、うまくリリースされればかなり有用なツールとなることが予想される。 ただし、日本語環境でのインストール作業には若干問題があったので、ここに私の個人的な作業ノートを記した:

1) XeTeX から XeTeX_099b.dmg (新しい0.995版でも同じ手順)をダウンロードする。

2) イメージをマウントし、中の XeTeX.pkg でパッケージをインストールすると、インストールされたファイルは

/usr/local/bin/   (バイナリファイル)

/usr/local/share/texmf.local/   (インクルードファイル)

以下におかれる

3) これを texmf.cnf の記述に合わせるため、

cd /usr/local/share

mv texmf.local texmf-local

mktexlsr

fmtutil --missing

を実行する。 その際、必要に応じて sudo でコマンドを起動する。 ところが私の場合、

huhyphn.tex, srhyphc.tex, ukrhypmp.tex

の読み込みでエラーが出て終了してしまった。 これには、上記の三ファイルをユニコードにしたもの

/usr/local/share/texmf-local/tex/generic/hyphen

に置くことで解決できる。

4) すると format ファイルが ~/.texmf-var/web2c/ にできるので、

mv ~/.texmf-var/web2c/xe*.fmt /usr/local/share/texmf-local/web2c/

mktexlsr

を実行する。

5) さらに

cd /usr/local/share/texmf-local/

ln –sf /usr/local/share/texmf-var/fonts/map/dvips/updmap dvips

mktexlsr

を行った。

6 −追記) やはりどうしても texmf.cnf を変更することが必要だと分かり、オリジナルにある

TEXINPUTS.xetex = .;$TEXMF/tex/{plain,generic,}//

TEXINPUTS.xelatex = .;$TEXMF/tex/{latex,generic,}//

の記述を

TEXINPUTS.xetex = .;$TEXMF/tex/{xetex,plain,generic,}//

TEXINPUTS.xelatex = .;$TEXMF/tex/{xelatex,latex,generic,}//

に変更した。

 

これらの中で fontspec, graphics, xkeyval の各パッケージを最新版に置き換え、 adobetypeclassics パッケージを導入することをお勧めする。(新しい0.995版ではその必要は無いようである) ところが、この fontspec euler パッケージを使うことが前提となっているようであり、一部の数学記号を表示しないので、[no-math] オプションをつけて導入すると良いらしい。

TeXShopで使うには、tex ファイルの先頭20行以内に

%!TEX TS-program = XeTeX

%!TEX encoding = UTF-8 Unicode

あるいは

%!TEX TS-program = XeLaTeX

%!TEX encoding = UTF-8 Unicode

という記述を行うとよい。 日本語も問題なく使用できるが、ローマ字と漢字の間や句読点の直後、それに括弧で括った部分の前後に半角の空白を入れると読みやすくなる。(新しい0.995版ではその必要は無いかもしれない)

\XeTeXlinebreaklocale "ja"

\XeTeXlinebreakskip = 0pt plus 1pt

%\XeTeXlinebreakpenalty = 100

という指定がサンプルファイルの中に見つかるが、指定値 100 は大きすぎるようである。