Kyushu University Leading PhD Program in Mathematic for Key Technology 九州大学リーディングプログラム『キーテクノロジーを牽引する数学博士養成プログラム』

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▶海外長期インターンシップ報告(鴨田憲太朗)

●報告者:
九州大学大学院数理学府博士後期課程2年 リーディングプログラム生 鴨田憲太朗

●出張期間:
平成29年9月30日~平成29年12月17日

●渡航国(都市名)・用務先:
シンガポール・Hitachi Asia Singapore, Research & Development (HAS R&D)

●目的:
日立アジア・シンガポールにおける約 3ヶ月間のインターンシップを通して、 企業の現場における研究を実践的に体験する。本インターンシップでは自立ロボ ットに関わる課題の解決を目指す。これまでに学んだ知識を用いて企業の現場に おける研究に取り組む事で、産業技術分野における研究を学ぶと同時に数学的な 視野を広げる。また、英語に限らず生活する上での国際的な理解、加えて企業で の研究や働き方等も体験・理解する。

●成果報告:
私の専門は整数論であり、現在のところ、その研究内容が産業界で直接利用さ れることほとんどない。実際に本インターンシップでも私が専門として学んでい る数学との関係は薄い課題に取り組んだ。もちろん私はリーディングプログラム 生として応用数学に関する講義や実務講義、Study Group Workshop のような実 践的な場に参加することはあったが、どれも短期的なものである。本インターン シップでは約 3ヶ月間集中的に産業への数学の応用に取り組み、これまでに学 んだ応用数学の知識を深め、自らの技術として身につけることができた。具体的 に取り組んだ研究課題とそれに対する解決案の概要を以下に述べる。

インターンシップの初期段階で距離センサーを用いた実験を行い、大局的自己 位置推定を研究テーマとして設定した。前提として地図が与えられていると仮定 し、測定データと地図上のシミュレーションデータの一致度の高い点を求めるこ とで地図上の自己位置を推定するものである。加えて、距離センサーの構造上の 問題で鏡の検出は困難であるが、地図に鏡の情報を載せる事で対処する新たな自 己位置推定の手法を提案した。その上で推定の精度向上および高速化が研究目標 である。

結果として、鏡がある場合でも高い精度で自己位置推定に成功したが、高速化 という意味では十分な解決を得る事は出来なかった。ただし大局的自己位置推定 はそれ自体が複雑な問題である事が知られており、3ヶ月の成果としては満足で きるものだと考えている。期間の都合で適用できなかったアイデアも多く、改善 の余地はまだまだ残っている。これまでの活動と比較すると長期的に産業数学に 取り組む機会となったが、インターンシップで研究を行うには 3ヶ月は短いと感 じた。

上記の研究以外にも、金融・経済に関する技術の連携や協業・協創を促進する ためのシンガポール国内の複数箇所で開催された大規模なイベントである Fintech Festival に出席したり、アンドロイドアプリケーションの作成に携わ る機会を得たりと貴重な体験を行う事が出来た。経済技術においてどのような技 術が使われ、また求められているかを学ぶことができたことで視野が広がったと 思う。また、プログラミング技術や英会話、研究内容の発表・報告等でも学ぶ事 は多かった。海外でのインターンシップという事で不安も大きかったが、無事に 終える事が出来た事で国際的に活動する自信に繋がった。本インターンシップを 通して様々な面で成長できたと思う。


 
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