第 225 回 Q-NA セミナー |
---|
日 時 | 2008 年 11月 4日 (火) 15:30 - 17:00 | 場 所 | 九州大学箱崎キャンパス 理学部 3号館 3階 3311 号室 | 講 演 者 | 大金邦成 (九州大学数理学研究院) | 共 著 者 | 上田肇一 (京都大学数理解析研究所) | 題 目 | 歩行運動を柔軟に生成する機構 | 概 要 | 生命システムの特徴は、システム内外の不確定な摂動に対して、制御が適応的に自己組織する点である。例えばヒトの歩行システムは、地面の変化、衝突、怪我などの未知なる摂動に対して歩行パターンを即時的に柔軟に変更して運動を維持する。本研究は、神経生理学、生体力学的知見に基づいた力学系モデリングを通し、柔軟な歩行制御を生み出す数理的構造を解明していく。モデルの数値実験から次が示される。I. システムの振る舞いを特徴付ける変数(=大域変数と呼ぶ)が存在する。II. システムの振る舞いの分岐にsennsitive な相(=初期相と呼ぶ)が存在する。III. システムの初期相での状態を大域変数で規定すると、不確定な摂動に対してシステムの分岐を制御できる。これによって歩行制御の柔軟性を再現できるのを示す。 |
|