「九州大学数値解析セミナー(Q-NA)」の発足に際して
1945年世界最初の電子計算機ENIACの出現以来,
半世紀を経てようやく自然科学の諸分野で
現実的な意味で有用な計算ができるようになってきました.
計算機の出現以前と以後では,研究スタイルが大きく変わり,
新たな研究対象が加わりました.
- 諸々の現象を計算機で再現・予測する,
- そのために必要な新しい計算法を開発する,
- 連続問題を離散問題で置き換えるために必然的に生じる誤差の事前評価を行う,
- 精度保証計算で事後評価を実施し数値解の品質を上げる,
- 並列計算など大規模数値計算の開発を行う,
- 大量計算結果の後処理としてグラフィクス技術を開発する,
- 数値積分や近似理論を整備する,
- 大規模連立線形,非線形方程式の解法を開発する,
- 常微分,偏微分方程式の解法を開発する,
- これらのための種々の数学的基礎理論を確立する,
- 等々,
このセミナーでは数値解析に関わるすべてを研究対象としています.
これらの新しい研究対象は,
計算機出現以前には本質的に存在しなかったもので,
強力な計算機が使える環境にある20世紀末の今,
我々が最も力を入れる必要がある研究主題の一つであります.
研究主題は広範な範囲に広がっています.
皆様の積極的な協力を得て,
この研究会が数値解析に関わる諸研究の交流の場として
成長していくことを期待しています.
なお、当面の予定としては原則的に毎週火曜日の15:30-17:00に
九州大学理学部3号館3階3311号室にて開催することにしています。
平成9年4月
世話人:金山 寛、田端正久、中尾充宏
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