九州関数方程式セミナー 平成30年度後期講演

日時 11月30日(金) 15:30--17:00
会場 福岡大学 セミナーハウス 2階 セミナー室
講師 坂上 貴之 氏 (京都大学)
題目 非粘性保存量の特異カスケードを生成する一次元流体方程式の数理解析と数値解析
概要 乱流現象を特徴付ける流れの性質の一つに,エネルギーやエンストロフィーといった非粘性保存量が粘性ゼロ極限において特異に散逸するというものがある.流れの時間発展を記述するナヴィエストークス方程式の解が滑らかであれば,粘性ゼロ極限の解は非粘性オイラー方程式の解になめらかにつなり,このような特異な散逸現象はみられないはずなので,こうした現象の背景には何らかの特異解の存在が関わっていると考えられる.このような非粘性保存量の特異カスケードと乱流統計の数学的構造を理解するために我々は1次元の偏微分方程式(generalized Constantin-Lax-Majda-DeGregorio=gCMG方程式)をベースにした乱流モデル方程式を構成した.本講演では現在の乱流に関わる数学研究の流れについて概観するとともに,gCLMG方程式の特異解および乱流統計とその力学系としての構造などについて数学解析および数値解析を用いて調べた結果について紹介する.本研究は京都大学大学院理学研究科 松本剛さんとの共同研究に基づくものである.

戻る