九州関数方程式セミナー 平成28年度前期講演

日時 7月1日(金) 15:30--17:00
会場 福岡大学 セミナーハウス 2階 セミナー室
講師 中西 賢次 氏 (大阪大学)
題目 ポテンシャル付非線形シュレディンガー方程式の大域ダイナミクス
概要 3次元空間で通常の3乗冪非線形シュレディンガー方程式に、空間局所的な外力ポテンシャルを加えたものを考える。 非線形項・ポテンシャル共に集約性で、後者が唯一の線形束縛状態を生じる場合に、保存量であるL2ノルムを小さな 値に固定すると、エネルギー最小の定在波(基底状態)はポテンシャルに由来する小さな解で安定、第二のエネルギーを持つ 定在波(第一励起状態)は非線形項に由来する大きな解で不安定となる。これら大きく異なるソリトンを両方含む相空間として、 L2は十分小さく、エネルギーは第一励起状態を少し超えるまでの範囲に制限し、その中で全ての解の大域挙動の分類と その特徴付けを与える(解の対称性は仮定しない)。外力ポテンシャルが無い場合との違いとしては、ほとんどの 時間大域解が分散しない成分を持つ事や、空間移動・ガリレイ変換不変性の破れにより、対応する不安定ソリトンの 6次元多様体も無くなる事が挙げられる。しかし、大域解と爆発解の境界には、ソリトンの近傍に捕捉される解の集合が やはり余次元1の多様体を成し、ソリトン自体よりダイナミクス境界の方が、方程式の摂動に対し安定である事が示唆される。

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