九州関数方程式セミナー 平成27年度前期講演

日時 7月24日(金) 15:30--17:00
会場 福岡大学 セミナーハウス 2階 セミナー室
講師 前川 泰則 氏 (東北大学)
題目 2次元円板の外部領域における定常旋回流の安定性について
概要 2次元円板の外部領域におけるNavier-Stokes方程式のある定常厳密解の安定性について考察する。この厳密解は、回転する物体の周りの流れを表す最も単純なモデルとして知られている一方、空間遠方での減衰がスケール臨界$O(|x|^{-1})$であることとHardyの不等式に関連した2次元特有の困難により、厳密解と擾乱がともに十分小さい場合でもこれまでその安定性はわかっていなかった。本講演では、この厳密解が十分小さいならば、$L^2$クラスの小さな擾乱に対して漸近安定となることを示す。なお、本結果では擾乱に対して如何なる対称性も仮定されていない。証明の主要部分は定常解の周りで線形化して得られる摂動Stokes作用素のスペクトル解析である。スペクトルは負の実軸全体からなる連続スペクトルと有限多重度の離散固有値のみからなるが、特に鍵となるのは、渦度場の解析を経由することにより離散固有値の集合をある正則関数の零点集合として特徴付けることである。厳密解が小さい場合にはこの零点集合について詳しく調べることができ、安定性を示すのに十分な情報を得ることができる。

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