九州関数方程式セミナー 平成21年度前期講演

日時 6月19日(金) 15:30--17:00
講師 千原 浩之 氏 (東北大・理)
題目 Geometric analysis of Schroedinger maps
概要 閉リーマン多様体からコンパクトな概エルミート多様体へのシュレーディンガー写像に対する初期値問題の解法を考察する. 全ての先行研究で, 値域はケーラー多様体であることが仮定され, 古典的エネルギー法が機能する場合のみ考察されてきた. 本講演では, まず, 値域のケーラー性の等の幾何学的設定とシュレーディンガー写像の方程式の構造の関係について, 線型シュレーディンガー型発展方程式論の視点から述べる. 次に, properly supported な擬微分作用素によって, 誘導束上のある種のゲージ変換を構成することにより, 概複素構造の共変微分による反対称な1階項が解消されてエネルギー法が機能するので,値域のケーラー性が成り立たなくても時間局所解が得られることを紹介する.